カーコーティングというと、素材がガラス質なのかポリマーなのか、耐久性は何年だとかといったことに注目が集まりがちですが、実は『下地処理』も重要な要素です。『下地処理』のことを『肌調整』や『前処理』のように表現したりもします。
『下地処理』とは塗装表面にコーティングを『強固に密着』させるために省くことのできない重要な工程であり、コーティングの性能を最大限発揮するために、必ず『下地処理』⇒『コーティング』という工程を経る必要があります。
下地処理は一般的に皆さんが思い描くよりも複雑な工程です。例えば私が以前在籍していた航空機メーカの塗装工程の場合。
機体構造となる鈑金や機械加工の終わったアルミニウムの素材表面には油分や酸化被膜があるため、そのまま塗装しても、塗料がはじいたり、塗装後に剥がれたりします。そのため、塗装前処理として機体部品のアルミ素地板を1.脱脂(3〜4行程)⇒2.腐食やスケール除去(2〜4行程)⇒3.活性化処理 ⇒4.水洗 ⇒5.陽極酸化処理 ⇒6.水洗 ⇒7.乾燥 します。これを各工程乾かないように連続処理で行います。ここまでざっと1〜2時間かかりますがこの前処理工程のおかげで塗料が強力に密着する準備が整います。そして部品単位あるいは機体組み立て後、ようやくプライマー、塗装中塗り、上塗りとなります。
クルマのコーティングの下地処理も同じようなことが言えます。新車の塗装表面には目に見えないですが、油分やワックス、防錆皮膜などが残っていたり、経年車の塗装表面は様々な汚れ、劣化因子が存在しています。
下地処理を省いてコーティングを施工するとムラが出たり、密着性が悪く耐久性が大きく損なわれ、本来4~5年程度密着するものが1年程度で剥がれたりしてしまいます。したがって、一部の安値サービス店を除きコーティング専門店では塗装の状態に応じてケミカル(薬品)やコンパウンドなどを選定、駆使して施工するのが一般的です。
また、中には高度な研磨技術を持つコーティング(ディテイリング)専門店もあり、一般的なコーティング技術店では出来ない洗車キズの除去やチョーキング、艶ボケなどにも対応できる高いノウハウを提供しているプロショップも実在します。
世に数多あるカーコーティングの施工技術、形態はまさに千差万別ですが、決して安くないお金を支払うのですから良く調べて、性格や相性の合う信頼できる業者さんに依頼すると幸せなカーライフが送れると思います。
対応エリア | 名東区・天白区・瑞穂区・昭和区・南区・長久手・日進・三好・豊明・大府・豊田市など |
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下地調整作業に入ると昼食も忘れてしまうのが最近の得意技です
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