コーティング前の下地処理のクオリティがコーティングの耐久性や美しさを決定する
クルマの表面というものは一見綺麗に見えても意外と汚れているものです。経年車は汚れだけでなく塗装表面が劣化して弱くなっていたり、納車されたばかりの新車でも在庫保管中にかなりの汚れがついてしまっています。
『下地処理』は塗装表面にコーティング皮膜を強く密着させるために省くことのできない重要な工程であり、コーティングの性能を最大限発揮するために、必ず『下地処理』⇒『コーティング』という工程を経る必要があります。
一般的にコーティング選びにおいて、ガラスコーティングなのかカルナバWAXコーティングなのか、耐久性は何年あるのか、撥水か親水か、仕上がりの艶はいいのか、といったことが気になると思いますが、その性能や耐久性を生かすも殺すもこの下地処理にかかっています。
杜撰(ずさん)な下地処理の仕方であったり、ましてや省略したりすれば、コーティングの施工時間や預かり時間は極めて短時間で済みますが、艶にムラがあったり、汚れをコーティング皮膜の内側に閉じ込めたりして美しく仕上がらないばかりか、本来何年も保つコーティングの効果が短期間で失われたりしてしまいます。このような施工業者も世の中にはあるので施工を検討する際は十分調べて依頼しましょう。
下地処理は一般的に皆さんが思い描くよりも複雑な工程です。
例えば私が以前所属していた航空機メーカにおける塗装工程の場合、機体構造となる鈑金や機械加工の終わったアルミニウム素材の表面には油分や酸化被膜があるため、そのまま塗装しても、塗料がはじいたり、塗装後に剥がれたりします。そのため、塗装前処理として機体部品のアルミ素地板を1.脱脂(3〜4行程)⇒2.腐食やスケール除去(2〜4行程)⇒3.活性化処理 ⇒4.水洗 ⇒5.陽極酸化処理 ⇒6.水洗 ⇒7.乾燥 します。これを各工程乾かないように連続処理で行います。ここまでざっと1〜2時間かかりますがこの前処理工程のおかげで塗料が強力に密着する準備が整います。そして部品単位あるいは機体組み立て後、ようやくプライマー、塗装中塗り、上塗りとなります。
クルマのコーティングの下地処理も同じようなことが言えます。新車の塗装表面には目には見えませんが、油分やワックス、また屋外保管していた時の汚れなどが残っていたりします。また、経年車においては塗装表面は様々な汚れ、紫外線や熱、酸素、傷などに起因する劣化因子が存在しています。
このような状態のクルマを下地処理を省いてコーティングするとムラになったり、密着性が悪く耐久性が大きく損なわれ、本来4~5年程度密着するものが1年程度で剥がれたりしてしまいます。したがって、安価な施工店を除き、しっかりしたコーティング専門店では塗装の状態に応じてケミカル(薬品)やコンパウンドなどを選定、駆使して施工します。
また、中には高度な研磨技術を持つコーティング(ディテイリング)専門店もあり、一般的なコーティング技術店では出来ない洗車キズの除去やチョーキング、艶ボケなどにも対応できる高いノウハウを提供しているプロショップも実在します。
世に数多あるカーコーティングの施工技術、形態はまさに千差万別ですが、決して安くないお金を支払うのですから良く調べて、性格や相性の合う信頼できる業者さんに依頼すると幸せなカーライフが送れると思います。
対応エリア | 名東区・天白区・瑞穂区・昭和区・南区・長久手・日進・三好・豊明・大府・豊田市など |
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下地調整作業に入ると昼食も忘れてしまうのが最近の得意技です
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